三行早見
- 準備では核メッセージに集中
- デザインはシンプルに
- 実施は自然に
先生のプレゼンや、自分が課題で作ったプレゼンって、つまらないと感じませんか?
そして、どうせやるなら、スティーブ・ジョブズみたいな、凄いプレゼンをやってみたいと思いませんか?
私はずっとそう思っていました。
そして、それを実現させてくれたのが、本書に込められた、プレゼンテーションの極意です。
すなわち、準備では核メッセージに集中、デザインはシンプルに、実施は自然に、です。
準備では核メッセージに集中
プレゼンの芯となるのが、核メッセージに集中し、それ以外への抑制が利いた準備です。
まず、聴衆に伝える、核となるメッセージを1つだけに絞ります。
そして、そのメッセージが聴衆にとってなぜ重要なのかを明確にします。
と、いきなり言われても、あんまりピンときませんよね。
ここで、その具体的なやり方を、私のプレゼン経験をもとに説明します。
例とするプレゼンは、二冊の本(『脳を鍛えるには運動しかない!』と『毒になるテクノロジー』)について行いました。
まず、重要なことを1つ。
パソコンの電源を切ってください。
アイデアはパソコンからは決して生まれません。
アイデア出しはアナログが最強なので、ポストイットとペンを用意しましょう。
次に、プレゼンのテーマについて、ポストイットとペンを使って、思いつくままにキーワードを書いていきます
この画像のように、思いつくままにワーッと書いてペタペタ貼ればOKです。
次に、そのキーワードを、項目ごとにグループ化してみます。
そうすると、自分がそのテーマについて、一体何を伝えたいのかが、だんだんと明確になっていきます。
この画像のように、私は「運動しろ」「電子機器を切れ」を言いたいということがわかりました。
最後に、そこから核となるメッセージを抽出します。
私の場合は、「電子機器を切って運動しろ」というのが、核メッセージになりました。
あれこれ言いたいことを膨らませるのはダメです。
聴衆の心に残ってほしい、核となるメッセージを1つだけに絞りましょう。
核メッセージを特定できたら、そのメッセージが聴衆にとってなぜ重要かを効果的に伝え、聴衆の興味を引きつけるために、どのような話の流れにすれば良いかを考えていきます。
ここではノートとペンを使います。
3部構成にして、1部ごとに何を言えば、聴衆が興味を持つかを、聴衆視点で考えます。
私は、聴衆参加型のプレゼンが大好きなので、第1部では聴衆にスマホとパソコンの電源を落とさせた上で運動させようと考えました。
第2、第3部でも、聴衆の好きなものや、聴衆の興味を引くアクティビティを取り入れました。
このように、聴衆に取って面白そうだと思ったアイデアを、ノートに雑多に書いていきます。
続いては、こうして出来上がったプレゼンの流れを、スライドに落とし込んでいきます。
デザインはシンプルに
スライドのデザインはシンプルさを心がけましょう。
さて、まずはパソコンを閉じてノートを開きましょう。
さっきも言いましたね?アイデア出しはアナログが最強です。
ノートに適当に四角をたくさん描いて、スライドのデザインの概要を考えていきます。
その際に大事な意識は次の3点です。
- 核メッセージの説明に効果的なスライドのみを作る
- 余計なものを一切排除する
- 一瞬で理解できるスライドを作る
さて、ここからは、シンプルなスライドを作るための具体的な方法論です。
- 1スライドに、文字は日本語にして10文字以内。余白を目一杯取って。重要な情報を引き立たせ、それ以外の情報は目立たないように工夫を。
- 画像を多用する。人は文字よりも画像の方が記憶に残りやすいという研究があります。印象的な画像をスライドに載せていきましょう。(istockphoto.comの写真が高品質でオススメです。)
- 文字と画像を組み合わせるときは、グリッドの交点に置くと、引き締まって見えて良いです。
さて、これらの原則を踏まえて、ノートにスライドの概要を描くとこんな感じですね。
この過程で、詳細なデータや、切り捨てるには惜しい情報などが出てくるでしょう。
そういうものは、別途配布資料を作って、そこに詳しく書き込めばいいのです。
スライドはプレゼンのためにあり、読み物ではありません。
大切なのは、一目で分かること。詳細な根拠は配布資料に任せましょう。
さて、ここまで来たら、あとはノートの概要をもとにKeynoteやPowerPointでスライドを作っていくだけです。
パソコンを立ち上げて、ポチポチ操作していきましょう。
私が作り終えたスライドは、こんな感じです。
さて、スライドを作り終えたら、プレゼンを自然に行えるように、徹底的に練習していきましょう!
実施は自然に
良いプレゼンのコツは、自然さです。
リラックスした、自然な会話調で、流れるようにプレゼンをできるまで、無限に練習を繰り返しましょう。
練習の中で、難しい表現や、分かりづらい順番がないかを、絶えず微調整してプレゼンを洗練させていきます。
聴衆に対して、価値のあるアイデアを提供する、ストーリーテラーだという意識を強く持つのです。
注意点として、メモを見ながらや、堅苦しい雰囲気のプレゼンはNGです。
あなたが聴衆の立場なら、そんな取ってつけたようなプレゼンを聞きたいと思いますか?
聴衆に寄り添うプレゼンを目指しましょう。
1つアドバイス、スライドめくり用のリモコンを使うと良いです。
(レーザーポインターは不要です。一目で分かるスライドを作ってきましたから。)
コクヨの黒曜石というリモコン、シンプルで使いやすくてオススメです。
(MacBook Early 2015, OS MojaveのKeynoteで動作確認済み。)

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自然に、流れるように、聴衆に寄り添ったプレゼンを行う。
聴衆の頭に、価値あるアイデアを刻み付ける。
そのために、地道な努力を続けていきましょう。
まとめ
準備では核メッセージに集中し、デザインはシンプルに、実施は自然に行えるまで何度も練習しましょう。
そうすれば、あなたの持つ、価値あるアイデアが、聴衆の頭に焼き付くはずです。
課題や仕事でテーマを与えられたプレゼンに、そこまで情熱を持てないという声もあるかもしれません。
でも、そのテーマには必ず、あなたの中の好奇心を刺激する要素が含まれています。
それに、面白いプレゼンをできるというだけで、周りの人があなたを見る目がコロッと変わります。
どうせやるなら、ジョブズばりのプレゼンをして、世界を変えてやりましょうよ。
きっと世界は、あなたが行う、眼を見張るような素晴らしいプレゼンを待っています。
本書は、私が紹介したよりも、もっと沢山のプレゼンのコツと、洗練されたサンプルスライドで溢れています。
ぜひご一読ください。
あなたのプレゼンのレベルを、飛躍的に高めてくれるはずです。