研究者を目指す道のりをゲームに例えてみました。
皮肉と批判たっぷりなので、それが嫌いな人には警告です。
読まないでください。
大丈夫なら、読み進めていきましょう。
ゲーム〈研究者クエスト〉始まり始まり〜。
〈研究者クエスト〉
STAGE1:修士課程(23〜24歳)
期間は2年間。
あなたは研究に打ち込み、何らかの結果を出し、それを修士論文にまとめる必要があります。
ただ、救済措置として、「この実験では求めた結果が出なかった」という低レベルな論文を書いても良いです。
修士を修了したら、博士に進むか、就職するかを選んでくださいね。
このSTAGEでは、まだジョブチェンジ可能ですよ!
あ、もし途中で無理だと思ったら、「大学院中退」という烙印を押してから社会に放り出してあげるので、好きに就活してください。
運が良ければジョブチェンジできますよ。
普通はジョブ「高学歴ワーキングプア」にしかなれませんけどね。
STAGE2:博士課程(25〜27歳)
期間は3年間。同じように研究に打ち込み、結果を出して、論文を書いてもらいます。
あ、結果は修士と違って、ちゃんと「明確な研究的意義のある結果」でお願いしますよ。
そうそう、あなたはもう博士なんですから、もちろん論文を英語で書けますよね。
論文誌に投稿して、掲載する価値のある論文だと認めてもらったら合格です。
投稿しても掲載してもらえなかったら、査読に通るまで頑張ってくださいね。
あ、期間は伸ばしても構いませんよ!もちろん授業料はいただきますが。
無事修了したら、基本的には全員ポスドクに進んでくださいね。
あなたが超超超絶優秀な場合だけ、そのまま研究者に進んでください。
え?博士終わってから就活したい?なに?途中で博士をやめたい?
STAGE2でその選択をすると、ジョブ「高学歴ワーキングプア」になりますがよろしいですか?
それ以外の選択肢は、このSTAGEにはありませんよ。
STAGE3:ポスドク(28歳〜)
期間は未定です。研究は好きにしていいので、さっさと結果を出して英語論文を書いてくださいね。
雑誌の査読に通らない?もっと一生懸命やってくださいよー。
雀の涙程度ですけど、お金だってあげてるんですから。
めちゃめちゃいい論文をいっぱい書いたら、次のSTAGEに進めますよ。
え?ここでやめる?
ジョブ「高学歴ワーキングプア」になりますがよろしいですか?
STAGE4:研究者(30歳〜)
おめでとうございます!あなたは晴れて研究者になりましたね!
好きなだけ研究に打ち込んで、じゃんじゃん論文書いてくださいね!
あ、授業とか学生の面倒見たりとか、そういう雑務も無限に与えるのでお願いします!
結果をきちんと出せたら、次のSTAGEに進めますよ!
そうそう、このSTAGEでは、最初は5年の任期付きです。
もし研究結果が出せなかったら、自動的にジョブチェンジして「高学歴ワーキングプア」になるので注意してくださいね!
STAGE5:研究者(35歳〜)
最終STAGE到達、おめでとうございます!
ここでは、滅多なことがない限り、あなたのジョブは「研究者」で確定です!
体に鞭打って研究に打ち込んで、鬼のように論文書いてくださいね!
学生のお世話も忘れずに!
さて、あなたはこのゲームをクリアできますか?
私は無理ゲーだと思ったので、STAGE1の手前で就活に舵きりしました。
STAGE2以降は全て、進むか停滞か高学歴ワーキングプアかの3択になります。
決断が早ければ早いほどよく、遅くなると取り返しがつかなくなります。
質問:それでも、あなたは研究者を目指しますか?
はい
いいえ
(注1:この記事は筆者の経験と知識で構成されているため、多分に間違いや偏見が含まれている可能性があります。無論、世の中にはこの記事と違って、研究者を目指すことに肯定的な見方をする意見もあるでしょう。肯定と否定の両方の意見を踏まえた上で、あなたの理解を助ける材料として、この記事が参考になればと思います。)
(注2:ジョブチェンジはドラクエじゃなくてFFだろ、と思った方へ。本文では意図的にそう表記しています。研究者クエストの「クエスト」には、研究者が研究対象への科学的解釈を探求する様、および研究者にはたくさんの要請が来る、という二重の意味を込めています。また、「ジョブチェンジ」は、ドラクエにそういうシステムがないことと、FFだろ!というツッコミ待ちという、二重の意図から本文で採用しています。)