三行早見
- 運動は脳に効く
- 運動で脳が物理的、化学的に強くなる
- 運動によるメリット:学習能力UP、精神安定、鬱とADHD改善、etc.
運動は脳に効く
「体の健康を保つために運動しましょう。」
よく行政の広報でこんな文句を聞きませんか。
正直、必要は感じても、あんまりやる気はしませんよね。
運動ってダルいし、とか思っちゃいません?
では、こう書かれていたらどう感じますか?
「運動は脳にも効きます。学習能力を上げ、精神を安定させ、鬱やADHDの改善を促し、ストレスを軽減し、自己肯定感を得られると、科学的に証明されています。故に、運動すると、人生の全てが上手く回り出します。運動しましょう。」
どうですか、ちょっとやる気になったような感じがしませんか?
この本では、運動が脳にとってどれほど良い影響をもたらすかを、科学的なデータをもとに解説しています。
端的に言えば、脳が物理的・化学的にめちゃめちゃ強くなるのです。
運動で脳が物理的、化学的に強くなる
運動は、脳を、分子レベル、細胞レベル、組織レベルと、様々な段階で強くしていきます。
分子レベルから見ていきましょう。(分子に関する専門用語多め。面倒くさかったら「脳にめっちゃいい分子が出まくる」と思って飛ばし読みでOKです。)
運動をすると、セロトニンとドーパミンが脳で盛んに分泌されます。
セロトニンは、脳のシステムの安定を保ち、学習や自尊心に正の効果をもたらす分子です。
ドーパミンは、やる気・集中・快楽を得られる分子です。
心臓からはANPという、不安を減少させる分子が放出されます。
副腎からはアドレナリンが分泌され、これは脳の集中力を増し、全身の組織を活性化状態にする分子です。
また、BDNFという、脳細胞にとっての肥料のような分子も盛んに合成されるようになります。
これらの、脳に正の影響を与える分子の数々が、運動によって、脳に最適なレベルで維持されるのです。
次に、細胞レベルではどうなるか見ていきましょう。
脳細胞は、分子の影響を受けて活性化します。
具体的には、細胞が新しく作られ、既存の細胞は長生きし、成長が促進され、機能が向上し、細胞同士の結合が強化できる構造に変化します。
組織レベルでは、このようになった細胞が沢山集まった脳は、脳が物理的な構造として強くしなやかになります。
すなわち、脳細胞の増加と、脳細胞同士の繋がりが活発になることによって、脳は新しい情報をどんどん記憶として蓄積し、既存の情報をより多様に扱うことができるようになるのです。
運動によるメリット:学習能力UP、精神安定、鬱とADHD改善、etc.
このように、運動によって強化された脳から、驚くほど多様なメリットを得ることができます。
新しい情報を記憶できるため、学習能力が飛躍的に高まります。
また、精神的な安定にも寄与します。
新たな細胞同士を繋げて思考回路を形成できることから、マイナス思考や鬱状態から脱却することができるからです。
ストレスに対する感受性が下がり、強固な精神を形成できます。
加えて、ADHDなどに見られがちな注意散漫さも、脳内の分子の最適化で解消できます。
さらには、これらの要因を自分でコントロールできると分かれば、自己肯定感を得ることができます。
ただの運動が、薬なんかよりもよっぽど脳に有益な効果をもたらすのです。
まとめ
運動は脳を物理・化学的に強化し、超絶メリットだらけで人生を変えます。
僕も、研究生活で長らく運動から離れていましたが、運動を再開した瞬間に劇的に精神状態が改善しました。
まずは30分のランニングでも十分効果が現れるようなので、人生を変えるために是非やってみてください。

脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方
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